不公平な現世と道徳律の疑問
どんな伝承か
浅野和三郎が再生説を説く論説の一節。地上の人生はそれだけを見れば矛盾に富み、不公平な舞台であり、宇宙の中心に道徳律はないのかと誰しも一度は疑うという。弱肉強食で善人が必ずしも栄えず悪人が必ずしも滅びない例として、英国で二十年の誤判の末に釈放された終身懲役囚が神の愛を説く教誨師を拒んだ話や、我が国の大審院に起こった同種の冤罪事件を挙げる。そして、現世の不幸は来世で償われるという宗教家の説明では足りず、再生説がここで当然出現する順序になると論じている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
再生問題の検討(浅野和三郎編)――輪廻転生の心霊研究(浅野和三郎(著)・浅野正恭(編)・心霊文庫 第十六篇(心霊科学研究会)・1940年(昭和15年))
『再生問題の検討(浅野和三郎編)――輪廻転生の心霊研究』は、浅野和三郎の再生論を浅野正恭が編み、心霊科学研究会出版部が昭和十五年に心霊文庫の第十六篇として出した冊子である。現世の不公平を解く鍵として再生説を掲げ、地上を霊魂教育の学校にたとえ、再生の出発点と帰着点、創造的再生説、ジェレー博士の『再生説』への評を述べる。会での講話を含む五篇を発表順に並べ、巻頭に編者のはしがき、巻末に奥付と刊行物の広告を付す。