血を吐いて鳴く兄のほととぎす
どんな伝承か
五万堂山から飛んで来て、五月ごろになると血を吐きながら湊志田の大森で鳴き明かすほととぎすは、もとは人間だったと伝わる。仲の良い兄弟がおり、兄が病んで弟が看病した。弟は裏の五万堂で山芋を掘り、養分のある所を兄に食わせ、自分は皮ばかりを食っていた。ところが兄はひがんで、良い所を独り占めしていると疑い、弟の腹を出刃で裂いて殺した。腹の中は木の皮ばかりで、兄は悔いたが遅く、鳥となって血を吐きながら鳴き続ける身になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。