湖に沈んだ山から遷した麓山神社
どんな伝承か
今は湖水の底に沈んだ童下南の山に、もとは麓山さまが祭られていた。磐梯山が破裂して戸ノ口の銚子の口が溶岩に堰き止められ、暴風と洪水が幾月も続いて白砂郷四十九か村は水に沈み、大きな湖と化した。麓山さまの山も水没するというので、大騒ぎで今の麓山神社へ遷座したと伝わる。社地は昔のままの壷下分で、今は関脇の氏子を持つ。昔の氏子は湖底に沈んだ村々の人々だったが、麓山神の神託がいち早く触れ渡り、信じた者は金沢まで逃げのびて助かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。