巫女の板床から栄えた板屋千軒街
どんな伝承か
楊枝村と壷下村の中程、北手の山際の板屋という所に古代の住居跡がある。昭和の初めごろ、安部作馬が田を拓こうと掘り返したところ、壷をはじめ縄文の土器片や石器が出土した。ここは昔栄えた板屋千軒街の跡でもあり、殿様が伊勢から太神宮を勧請したとき従ってきた巫女たちが、舞いや神楽を上げる板床を設けた地であることから板屋と呼ばれるようになったという。太神宮参りが絶えず会津街道一の楊枝峠の旅人も増え、宿場町からくるわ町として板屋千軒と囃されるほど賑わった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。