墓所の橋を外して防ぐおぼ抱き幽霊
どんな伝承か
烏帽子小屋の墓所の近辺では、昔しばしばおぼ抱き幽霊が出て、通る者に赤子を抱かせたという。本当のおば子ならよいが魔物が憑いている場合もあるので、おば子を頼まれたら喉に飛びかからぬよう背中を抱けと言い伝えられている。それで烏帽子小屋では、死産の女の産子抱きが墓地の外へ出ないように、葬送を終えるとすぐ墓所の橋を外しておいた。今はコンクリートの橋になったので常に厳重な鎖を掛け、幼な子の哀れな魂を慰めるためにおぼだき地蔵が祭られている。
原典より
烏帽子小屋の墓所近辺で、昔は時々おぼ抱き幽霊が出て、赤子を抱かせられたものだという。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。