鍛冶を禁じた金鋳神社の祟り
どんな伝承か
金曲村に祭られている金鋳神社の祭神は天津原尊といい、金ふきの神である。昔この神は鍛冶屋の仕事も営んでいたが、熱鉄を打ち切るときに散った火花が目に入って盲目になった。それゆえ金曲村では以来鍛冶屋を営まぬことになっており、鍛冶の系図の家は一軒もない。明治初年ごろ、不便だからと村人の望みで鍛冶屋を始めた者があったが、災難が重なり神の祟りが厳しく続いて居たたまれず他郷へ移った。二十数年前に町から来た金物屋も、妻に先立たれ、店主も他界したという。
原典より
金曲村に祭られている、金鋳神社の祭神は、天津原尊と申し上げ金ふきの神様である。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。