渋谷に残るめおと猫の猫石
どんな伝承か
昔、磐梯山が噴火したとき、山から逃げてきた夫婦の猫が長瀬川にさしかかった。雄猫は強く川を渡って逃げのびたが、雌猫はついに川を越せなかった。そのため雌猫は渋谷で猫石と化し、雄猫は白木城に生きながらえて、妻である猫石への参拝を欠かさぬまま生を終えたと伝えられる。この猫石の祭りは旧暦四月十二日で、参拝の折には笹の葉を取ってきて家の神棚に供えるものとされ、養蚕の盛んな時代には相当な参拝人があって祭りも賑わった。祭日には御札を刷って授けていたが、今はその人もいなくなったという。
原典より
猫石については、昔の磐梯噴火のとき、山から逃げて来ためおと猫が、長瀬川にさしかかり、男猫は強いから川を渡って逃げのびたが、女猫は遂に川を越せなかった。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。