八板林の亡霊と祟りの畑
どんな伝承か
三城潟の乾の方角にあたる杉林は八板林と呼ばれ、そこを通る人はみな背筋がぞっとするという。昔この辺りで八板という旅人が殺され、林の中に捨てられたまま成仏できずにいるので、その霊魂が今もさまよっているのだろうとして、里人はその林のそばを通らなかったと伝えている。また祟りのある畑地もあり、その家の人が畑に行くと手がしびれて鎌の先が切れないという。昔その家の神様を粗末にし、畑に持って行って捨てた祟りで、何百年たっても消えていないとされる。ほかに「くせ田」と呼ぶ湿田があり、人が入れば頭まで潜ってしまうと敬遠されていた。
原典より
三城潟の乾(いぬい)の方角に当って杉林がある。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。