夏の土用に降った紫の雪
どんな伝承か
昔、安倍貞任・宗任の兄弟が背いて、八幡太郎義家が奥州征伐に来たとき、安倍勢は攻めたてられて苦しくなり、吾妻山に祈って夏の土用に紫の雪を降らせ、義家勢を痛めつけたといわれる。その折、どこからともなく鳩が小さい枝を一本くわえて来て雪の上に落とし、その上に止まって見せた。これを見ていた義家は、雪の上でも足の下に何かを置けばぬからないと悟り、簗を考案して兵に履かせ、危急を脱することができた。これが簗の始まりであると伝えている。
原典より
昔、安倍貞任・宗任兄弟がそむき、八幡太郎義家が奥州征伐に来た時、安倍勢は攻めたてられ苦しくなって、吾妻山に祈り、夏の土用に紫の雪を降らして義家勢を痛めつけたといわれる。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。