小狐を捕えた男が受けた報い
どんな伝承か
県道川桁野老沢線の、内野と下館の中間にある千石川の一帯は、以前は株刈場の大きな原っぱで、川から南へ五、六十間の道端に小祠が祭られていた。昔、下館村の某が、ある夕方に内野からの帰り道で原にいた小狐を追い回して捕えてきた。数日後の夕方、家の前で遊んでいた子供が急にいなくなり、探して千石川まで来ると、草原の中で誰かに追われるように逃げ回っているのを見つけて抱いて連れ帰った。さらに幾日か後、某は内野へ出掛けて帰らず、翌朝妻が迎えに行くと、原の草はすべて踏み敷かれ、某は祠の前で倒れて死んでいた。狐に仇を返されたのだと村人は噂した。
原典より
内野・下館の中間にある千石川、川の南の道路東西の田圃は、昭和四十年頃開墾されて田となったが、以前は株刈場で大きな原っぱであった。—— 猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。