福来友吉が重ねた三田光一の念写実験
どんな伝承か
福来友吉は、一九二八年九月にロンドンで開催された国際スピリチュアリスト会議から帰って以来、宮城県気仙沼出身の三田光一について幾多の念写実験を行ない、彼を日本で出会った最大の霊媒であったと述べている。福来は一三七枚のネングラフを所有し、そのうち十枚を選んで論文で説明した。念写の訳語にThoughtgraphyを用いるのをやめ、精神の集中を意味する「念」の語を発音のまま持ち出したのもこの論文である。三田の著書『霊観』の巻頭には、当時首相であった犬養毅が与えた題字と、それを三田が念写したものとが掲載されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、SPRとASPR、マルクス主義からの攻撃、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。