石上神社の宮司家のイヅナの穴
どんな伝承か
桃生郡十五浜村の氏神である石上神社の宮司千葉雪麿の家には、イヅナの出入りする穴が残っていた。直江広治が実地に見たところ、ヨコザの下と中柱の下に穴があり、それが祈祷殿の床下へ通じていて、そちらにも穴が口を開けていたという。雪麿の父の代までは、実際にイヅナがこの穴を出入りしていたと伝えられる。社記によれば同家は二十三代前に羽黒の知行所として修験の太夫号を受けており、神職とはいえ術の筋は修験の流れらしいと著者はみている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。