高杉神社の嬲打神事
どんな伝承か
鳥取県大山村の高杉神社に伝わる嬲打神事は、『人類学雑誌』一八六号で早くに紹介され、その後も『民族と歴史』『民俗学』『伯耆文化』『因伯民俗』などで繰り返し取り上げられてきた。著者はこれを、松本の犬飼山の神おろしや東北・北関東・新潟の神懸かりの行事とともに挙げ、護法憑きや護法実という言葉こそ使われていないが、密教や修験の流れをくむ限り、鞍馬の竹切りや吉野の蛙飛と同じ系統の行事で、『今昔物語』や『大鏡』の護法の記事にも通じるものだとしている。
原典より
たとえば、古く『人類学雑誌』一八六号に紹介されて以来、『民族と歴史』四巻五号、『民俗学』五卷一一号、『伯耆文化』一六号、『因伯民俗』一五号などに再三とりあげられている鳥取県大山村高杉神社の嬲打神事、…—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。