大竈の前で主婦が舞うオカタの舞
どんな伝承か
家の神を祀る者は主婦であるという例は各地にある。鹿児島県肝属郡百引村の地方では、毎年霜月の氏神祭の日に、土間の大竈の前で火の神祭りをおこない、そのとき神職の舞に続いて主婦がオカタの舞と称する所作をするふうが残っている。沖縄本島に近い薩南の沖永良部島ではこの形が一層はっきりしており、竈は家長のみならず主婦が死去したときにも更新され、竈石を植えるのも主婦、日々の竈祭りもすべて主婦によってなされる。桜田勝徳の報告による。
原典より
沖縄においてはもとよりであるが、本土の方でも、たとえば鹿児島県肝属郡百引村地方では、毎年霜月の氏神祭の日に、土間の大竈の前で火の神祭りをおこない、…—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。