トップ > 東京都の伝承 > 台東区

独りでに紙治を弾いた小夏の三味線

所在地東京都台東区(吉原)
年代伝承・近世
登場清十郎、小夏、語り手、伝承者、若旦那、吉原の芸者・故人
出典民俗怪異篇

どんな伝承か

若旦那の清十郎は吉原の芸者小夏に入れ揚げ、田舎の親類へ預けられた。一年余りののち江戸へ戻るが外出は許されない。父の留守に抜け出して頭の家を訪ねると、小夏は清十郎を思い詰めた末に病で死んだと知らされる。母親のもとへ悔やみに行くと、仏壇に真新しい三味線が供えてあった。娘が大切にしながら一度も座敷へ持って出ないまま逝ったもので、命日ゆえ手向けに出したという。清十郎が調子を合わせて仏前に置くと、三味線はひとりでに鳴りだし一中節の紙治を弾いた。やがて音が止み、母は線香がたちきりましたと告げる。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

民俗怪異篇(磯清・磯清・民俗怪異)

『民俗怪異篇』は、磯清が著した民間の怪異をめぐる随筆集である。馬を襲う魔物ギバとその禁厭、阿波の首切れ馬「夜行さん」、姫路城の刑部姫や猪苗代城の亀姫などの城の怪、化け猫、灯火による占い、秩父三峰の狼の信仰と狼の怪、怪談を題材とする落語を取りあげ、各地の言い伝えや古い記録を引きながら語る。序に続いて「馬の災と馬の怪」「城の主」「猫」「灯の占」「狼の噂」「落語に存在する怪談」の六篇を置き、それぞれを小見出しの短い話に分ける。

種別から探す

三味線

台東区の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『民俗怪異篇』の伝承