仏間に響く念仏の鐘の音
どんな伝承か
秦野市の山谷で聞かれた話。ある人が婿に行った先で、仏間に泊められた。化け物が出たらもぐってしまおうと思っていると、夜中にチャンチャンチャンと念仏の鐘の音が聞こえてくる。畳に耳を押しつけて聞いてみると、馬頭観音だという。馬が死んで博労が埋けたので、その音が聞こえるのだといわれた。戸川では、その家の仏間を見たら白いひげがいっぱいであったと語られ、その家では次々に人が死に、残った者が婿を取ったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。