婚礼の席に放り込まれた石塔と花かご
どんな伝承か
秦野市に伝わる世間話。ある男と女が恋仲だったが、女は家の勧めでより条件のよい相手に嫁いでしまった。振られた男はその腹いせに、仲間に酒を一升ふるまって冷や酒を飲ませ、墓場から石塔や、新仏の花籠、蛇の頭といった葬式の道具を持って来させた。そして婚礼で三々九度が始まる頃合いに、それらの葬具を祝いの席へ放り込んでしまったという例があると語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。