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洪水と叫んだ女(第二話)

所在地福岡県糟屋郡篠栗町
年代昔
登場中年の女、吾市
出典篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異

どんな伝承か

福岡県糟屋郡篠栗町の狐憑き譚。真裸の男が洪水と叫んだのと同じ場所で、ある真昼間、中年の女が「助けてえ、大水が流れてくる、早よう誰か来て」と叫びながら、着物の裾をだんだん上げていった。吾市はこれを見て「またこの狐め、狐にだまされとるな」とあたりを見回すと、大松の根元に一匹の大狐がじっと座って女を見つめていた。吾市が「この野郎」と狐めがけて石を投げつけると、狐はさっと逃げ、女は正気にかえったという。狐に化かされる話の多い季節の出来事である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異(篠栗町(編)・篠栗町誌)

『篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異』は、筑前の篠栗町が編んだ町誌の民俗編で、その伝説の章にあたる部分である。鉾立山や若杉山の岩にまつわる神話と弘法大師の伝承、薬師・地蔵・観音の由来、平家岩や古井戸の伝説、狐に騙された話や狐憑き、狸の法座、大蛇や河童の話を、町内の古老の語りから集める。二十余の伝説を番号つきの項で並べて『筑前国続風土記』などの地誌や説明板の文を引き、狐狸の話と巷の話の項を続ける。

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