初午に茶を飲めば汚れ繭
どんな伝承か
初午の日には茶を飲まないということが、置賜地方の養蚕農家の間で等しく語られていた。高畠町二井宿では、この日にお茶を飲むとションベンマユができる、よごれまゆになる、火難にあうなどといわれていたという。理由は分からないが、岐阜県高山でもこの日は茶を飲まないといっていたそうである。茶を飲まないという禁忌の伝承が養蚕と結びついている点には注意が要る。初午の日に親戚や知り合いが集まって酒宴を持つのも、養蚕の豊作を祈る心意によるものと考えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。