夜盗を投げ飛ばした大男善太郎
どんな伝承か
家の中をしゃがんで歩かねばならないほどの大男善太郎は、十六歳で勘十郎の娘を嫁にもらった。節句に招かれた嫁の家では酒を四升も飲み、三升炊いた飯をぺろりと平らげて舅をあきれさせ、特技を問われると、毛布を巻いた腕に勘十郎を乗せて馬場山まで三度往復してみせた。のちに相撲取りとなって家を出たが、父の死を鹿児島の小島で知って帰郷した。ある日、柳田の元相撲取り伊吹山に頼まれ、南下幅の板谷林の掘っ建て小屋にたむろする夜盗を追い払い、頭をつかんで投げた一人は首の骨が折れて死んだ。十何人の一味を追い払った二人の相撲取りを、村人は大いに喜んだという。
原典より
善太郎は家の中を歩くのにしゃがんで歩かなければならないほどの大男でありました。—— 胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。