神仏となって現れた物語の人々
どんな伝承か
物語の終わりに、登場人物はそれぞれ神仏となって現れる。佐夜姫の母は八十三歳で大往生して阿弥陀如来となり、亡き父も姫の菩提の功徳によって阿弥陀如来となった。奥州胆沢郡の郡司兵衛吉実の御台は、佐夜姫に情けをかけた功力によって毘沙門と現れ、岩井郡達谷が岩屋に立て置かれて今の世まで栄えているという。吉実は十月二十日に恵比寿として現れ、商恵比寿として祝われるようになった。姫は百三十歳まで生き、近江国の竹生嶋辨財天女となって現れたと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。