事故が絶えない荒山の禁忌
どんな伝承か
上滝山沢の一帯には畑が広がり、戦後もかなり奥まで作られていたが、近年は手間がかかるとして放置されている。この一帯の山は、別に荒山あるいは荒い山と呼ばれることがある。かつては木を伐るヤマゴが、今では営林署の職員が、この山を特別に扱ってきた。荒山と呼ばれる場所で伐採やそのほかの作業を行うと、必ずといってよいほど大きな事故が起きると考えられているためで、そこへ入って働くときには格別の注意を払わなければならないとされているのである。なお、上滝山沢のほかに口広沢の一帯も荒山の別称をもつ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史)
『脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承』は、下北半島の最西端にある脇野沢村の村史民俗編のうち、口承文芸を扱った第七章である。村で採集した一一七話の昔話の特色と語りの場・語り手、地名をめぐる伝説、人を化かすキツネや狐の嫁取り・仇討ちの世間話、夢の予兆をめぐる伝承、天候や豊漁・豊作の諺を収める。章を昔話、伝説と世間話、諺と言葉遊びの三節に分け、昔話には『日本昔話大成』の話型分類による対照表を付す。