抜錨は七の日行くな五の日戻るな
どんな伝承か
文部省の迷信調査協議会の俗信調査で、漁業に関する日の吉凶の一例として、島根県恵曇(漁村)から「船舶の抜錨、行くな七の日、帰るな五の日、行くな帰るな二十五日」が第五十五例として報告されている。出漁と帰港の日取りを数字で細かく規制するもので、同じ項には青森県八戸の産後七日の禁、新潟県筒石の海女の忌日、大分県姫島の「月の七日と廿日は初めて漁に出ない」、京都府伊根の「仏滅の日に漁具を新調せず」、北海道石狩の「漁業者は四、九の数字を嫌う」などが並んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。