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神主の生き霊神託と名指しされた女

所在地島根県雲南市加茂町
年代現代(著者の見聞・昭和期)
登場著者の分家の老婦/近所の稲荷神社の神主/某女
出典憑きもの持ち迷信――その歴史的考察(改訂版)

どんな伝承か

祈祷師は昔と変わらず農村で信用されている、として著者は最近知ったばかりの例を挙げる。著者の家の分家の老婦が脳充血で病床についたので、家人が近所の稲荷神社の神主に祈祷を頼んだところ、「某々女の生き霊がたたっての仕業である」という神託だったという。そこで生き霊排除の法をさらに頼み、一五〇〇円を取られたが、ついに病人は亡くなってしまった。ところがその話が世間に漏れ、名指しされた某々女は村民から大変悪く言われるようになったと記されている。

原典より

これは、最近私が知つたばかりのことですが、私の家の分家の老婦が、腦充血で病床についたので、家人が近所の稻荷神社の神主に祈禱を頼んだところ、「某々女の生き霊がたたつての仕業である」という神託だつたそうで、…—— 憑きもの持ち迷信――その歴史的考察(改訂版)(速水保孝・1953年(昭和28年)初版・1956年(昭和31年)新版) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

憑きもの持ち迷信――その歴史的考察(改訂版)(速水保孝・1953年(昭和28年)初版・1956年(昭和31年)新版)

『憑きもの持ち迷信――その歴史的考察(改訂版)』は、速水保孝が昭和二十八年に著し、昭和三十一年に書き加えて新版とした研究書である。出雲・隠岐を中心とする山陰の狐持ちなど、家筋に結びつけられた憑きもの迷信を、法務局が扱った人権事件、藩の触書や村の古文書、加茂町の世帯調査から集めている。狐持ちの家に生まれた著者の体験から説き起こし、江戸中期以降の新興地主への反感に起こりを求める。柳田国男が序を寄せている。

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