双子の池の主の巡り合い(縁結びの池)
どんな伝承か
諏訪湖と松原湖にはそれぞれ竜神が主として棲んでおり、その雌の竜と雄の竜が出会う場所が双子池だと伝えられている。双子池から離れた松原湖の竜神が、ここで諏訪湖の竜神を迎えるのだと考えられているという。また『信州の湖沼』によれば、雪解け水などで水かさが増すと雄池と雌池が一つにつながることがあり、地元ではこれを与七郎とお染の思いが通じて結ばれたのだと悲恋の物語に重ねて語る。そこからいつしか双子池は縁結びの池とも呼ばれ、事情があって一緒になれない男女が訪れれば必ず願いがかなうと言われるようになった。
原典より
諏訪湖・松原湖の主である雌竜と雄竜とが進んで巡り会うのも双子の池であると伝えられ、双子の池より離れた松原湖の竜神が、諏訪湖の竜神を迎えるものと考えられると言う。—— 長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿
『長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿』は、八千穂村佐口の暮らしと伝承を記した民俗誌の稿から、第十三章「口頭伝承」とその前の章の末尾を抜き出したものである。前の章の手まり唄・子守唄に続き、佐口へ嫁いだ桜井トラ氏から昭和五十一年に聞いた昔話、双子の池の竜神や白駒の池、大河原峠の行き倒れなどの伝説、火の玉の話、子どもを戒めることわざを収める。伝説には地理や類話を補う注を付し、佐口の外の土地の話も含む。