ホッチクビの鉈の音
どんな伝承か
臼田町の観音様へ行く途中に、ホッチクビというところがある。昔、この場所で和尚が鉈刻みにあって殺されたため、今でもそこを通ると鉈を刻む音が聞こえるのだという。『長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿』は、大河原峠で行き倒れた親子五人の霊を祀る野面石、双子の池の主になった大尽の息子、三味線の音が今も聞こえるという三味が淵などの伝えとともに、この短い一条を書き留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿
『長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿』は、八千穂村佐口の暮らしと伝承を記した民俗誌の稿である。手まり唄や子守唄、佐口に嫁いだ桜井トラ氏から昭和五十一年に聞いた昔話、双子の池の竜神や白駒の池、大河原峠の行き倒れなどの伝説、火の玉の話、子どもを戒めることわざを収める。第十三章の口頭伝承の部分で、昔話・伝説・その他の話・ことわざに分け、伝説には地理や類話を補う注を付す。