諏訪へ越えた岩場の難所一の櫓
どんな伝承か
佐口から双子の池へ抜ける道の途中に、一の櫓と呼ばれる難所がある。高さ二丈ほどの岩場が坂になった所で、昔の人々は木の根や笹にすがりながらこの岩場を登り、諏訪へと越えていったと伝えられる。当時の身なりでは、とりわけ女の人がここを越えるのは並大抵の苦労ではなかったらしい。
原典より
佐口から双子の池へぬける二丈ばかりの岩場の坂になった難所である。—— 長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿
『長野県南佐久郡八千穂村佐口民俗誌稿』は、八千穂村佐口の暮らしと伝承を記した民俗誌の稿から、第十三章「口頭伝承」とその前の章の末尾を抜き出したものである。前の章の手まり唄・子守唄に続き、佐口へ嫁いだ桜井トラ氏から昭和五十一年に聞いた昔話、双子の池の竜神や白駒の池、大河原峠の行き倒れなどの伝説、火の玉の話、子どもを戒めることわざを収める。伝説には地理や類話を補う注を付し、佐口の外の土地の話も含む。