本宿の小学校に出た座敷わらし
どんな伝承か
土淵村字本宿にある村の尋常小学校に、一時ザシキワラシが出るという評判が立った。児童が運動場で遊んでいると、見知らぬ子供が一人まじって遊んでいたり、体操の時間には、どうしても一つ余計な番号の声が聞こえたりしたという。その姿を見たと言うのはいつも尋常一年の小さな子供たちの組で、彼らが「そこにいる」「ここにいる」と指しても、ほかの者には何も見えなかった。座敷わらしは家の奥座敷にいるものとされるが、この話では学校の運動場や体操の列にまで現れている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、日本人の暮らしの奥にある秘められた信仰や伝承を扱った叢書『日本人物語』の一冊である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使い、生霊、秘密結社、狐憑きなどを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。