泥と柳とハコベで作られた人間
どんな伝承か
国造りをひととおり終えた国造神は、できあがった世界を眺めながら何かが足りないと感じ、そばにいた夜の神に思いつくものを造ってみよと命じた。夜の神は足元の泥をすくって丸め、柳の枝を芯として通し、ハコベを取ってきて一方に植え、死者をよみがえらせる力を持つアコギであおいだ。泥は乾いて肌となり、ハコベは髪になった。そこへ眠りや食欲など十二の欲の玉を入れると人間が完成したが、できたのは男ばかりだったので、昼の神も加わって女が造られたという。男の肌が黒く女が白いのはそのためで、年をとって腰が曲がるのは柳を背骨にしたからだと語られる。二神は褒められて天に昇り、太陽と月になった。
原典より
天地を創造した国造神が、だいたいの国造りを終った。—— 日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。