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悪い路の口と呼ばれた洞窟

所在地北海道上川郡比布町
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典日本伝説大系 第1巻

どんな伝承か

比布の山にオンコが茂って昼も薄暗い場所があり、その奥に底の知れない大きな洞窟があった。暗い底から時おり悪臭を含んだ風が吹き出すので、人々はこの穴をウエンパロ、すなわち悪い路の口と呼んで近づくのを恐れた。昔、二人の上川アイヌが探ってみようと中へ入ると、穴は次第に狭まり、はって進むうちに急に明るく広い所へ出た。やがて道が二股に分かれたので二人は別れ、一方は野原を抜けて海に出た。舟には死体が満ち、犬の群れが吠えかかり、上空からは死魂は早いなという声がした。腹を立てて引き返すと、もう一人も同じ目に遭っていた。以来この穴に入る者はいなくなった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。

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