血で赤く染まるマタギ家例の餅
どんな伝承か
稲沢で鈴木姓、惣右衛門系を名乗る人たちは、正月にマタギ家例と称して、小豆の煮汁を入れた赤い餅を搗く。この家例は、昔、鈴木家がマタギをしていた頃、カモシカの血のついた野良着を着たまま餅を搗き、その血が臼の中に入って餅が赤く染まったことに始まるという。また鈴木家では、身内同士でこの餅を交換し合ったとも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。