土蔵を出て隣家へ移ったクラワラシ
どんな伝承か
綾織村字大久保の水口という農家の土蔵にはクラワラシがいて、家計が非常に豊かになったと伝えられていた。ところがその後、水口の家の土蔵にいたクラワラシが、いなくなったと噂されるようになった。それからは家計があまり思わしくなくなったけれども、それでも今なお相当な暮らしをしているという。見えなくなったクラワラシは、隣家の沢という家に移ったともいわれた。沢という家は、この村でも屈指の有徳な家である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。