山口孫左衛門家を去る二人の女
どんな伝承か
遠野市土淵町山口の旧家、孫左衛門の家には、若い女のザシキワラシが二人いると久しく言い伝えられていた。ある年、同じ土地の男が横田の町から夕方帰って来ると、留場の橋のあたりで見なれぬ美しい娘二人に出会った。どこから来てどこへ行くのかと問うと、今まで山口の孫左衛門殿の家にいたが、これから気仙の稲子沢へ行くと答えて行き過ぎた。その後、山口の家では主従三十人ばかりが茸の毒に当たり、一夜のうちにみな死に絶えたということである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。