門扉に似た洞口の福来口
どんな伝承か
黒姫山の中腹には福来口という洞穴がある。洞口は高さ百五十尺、横七十尺あり、遠くから望むと門の扉を開いたように見える。水が洞の中から流れ出て川となり、これが布川の水源である。昔、奴奈川姫命が布を織った所と伝え、福来口の名は夫来ケロがなまったものだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。