まっか大根しか育たぬ梅ヶ崎
どんな伝承か
梅ヶ崎の畑は土が肥えているのに、まっか大根しか穫れないといわれてきた。ある年の秋、身なりの汚れた旅の僧が村へやって来た。折しも一人の女が流れで大根を洗っており、太くまっすぐに伸びたその大根を見た僧が一本ほしいと乞うたところ、女はにべもなく断ってしまう。翌年から、この村ではまともな大根が育たなくなったという。その旅の僧は弘法大師であったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。