物言う石地蔵と夜盗の弟子入り
どんな伝承か
加能越金砂子は、伝燈寺の開山運良大和尚が後醍醐帝の帰依を受けて暦応年中に開山し、康永二年八月十二日に遷化したと記す。運良はそれ以前、諸国行脚の折にこの里の地蔵堂へ一宿した。夜通し話し声がするので夜盗が来てうかがうと、和尚は独り座っている。訳を問うと、この地蔵尊が伽藍を建てて万民を教化せよと言うと答えた。夜盗は石地蔵が物を言うはずがないと嘲って刀を抜き、二、三度斬った。死んだはずなのに、夜が明けて見ると和尚は黙然と座している。夜盗は大いに驚いて涙を流し、懺悔して弟子となった。この由が天聴に達し、七堂伽藍が建てられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。