母の仇を討った墓中の子
どんな伝承か
腹の大きな女が門の前で死んでいたので、そのまま埋めたところ、墓の中で子が生まれた。夜になると飴屋へ三文の飴を買いに来る。不審に思った家の者があとをつけると、女は寺の墓へ入って行った。掘り返すと母が男の子を抱いており、この子を頼むと言う。子は引き取られて一人前に育った。ある日、馬方が、何十年か前に腹の大きな嫁を一人殺したが今も何の音沙汰もない、と独り言を言って家の前を通った。それを聞いた子は歌を一首詠むと馬に飛び乗り、馬方を刀で斬り殺したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。