杉に釘を打つ夜更けの女
どんな伝承か
猿丸社の内には、道風の筆跡と伝える扁額が掛かる。内殿には古代の観音像と、石に彫った猿が一匹あるという。社の脇に立つ杉の木には、鉄の釘が数多く打ち込まれている。これは、女が言い交わした男に恨みごとなどがあるとき、夜更けにひとり人目を忍んでこの社まで来て打ち込むのだという。もし途中で行き交う人に見つけられてしまうと、必ずその効き目は無いのだと言い伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。