川並の天満天神社と桐畑太夫の縁起
どんな伝承か
『近江輿地志略』が記す川並村の天満天神社。祭神は菅丞相の霊で、社には縁起が伝わる。昔この郷の酋長を桐畑太夫といい、姿かたちが人並み外れて美しかった。ある日、舟を浮かべて釣りをし、日暮れに柳の下へ舟を繋ぐと、樹上に異香を放つ軽やかな衣が掛かっていた。持ち帰ろうとすると美女が現れ、羽衣を返してくれと乞うが、太夫は知らぬと答え、女はやむなく家の者となる。翌年の初秋に男子が生まれた。羽衣を虫干しに掛けた隙に妻はそれを身につけ、空へ昇ってしまう。残された子は菅山寺の尊元和尚になつき、のち菅原是善の養子となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。