鏡の池の祈願に応えて植えた袖の松
どんな伝承か
野口の「袖の松」は、高さ一五メートルあまり、幹回り五メートル、幾百千歳を過ぎたか知れない老松で、樹幹は朽ちて空虚となっていたが、大正十二年四月十二日、強風のため倒壊し、今ではその面目はない。この名樹は、当麻寺の中将姫が蓮糸曼荼羅を織るとき、角刺宮跡の「鏡の池」に蓮茎を得ようと神に祈り、その成功におよんで植えたものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。