松尽くしに唄われた伊勢の松
どんな伝承か
章の末尾には、名高い松を数え上げる端唄が引かれている。一本めは池の松、二本めは庭の松、三本めは下がり松、四本めは志賀の松、五本めは五葉の松、六つ昔は高砂の尾上の松や曾根の松、七本めは姫小松、八本めは浜の松と唄い継ぎ、この九つの松を植え並べて、十で豊国の伊勢の松と結ぶ。豊国野の松は末広がりの松で情けがあり、口説けばなびく相生の松、日を待ち時を待ち暮れを待つ連理の松に契りをこめて、福大黒を、と囃す唄である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。