弘法清水と伝える坪井泉
どんな伝承か
四条畷市岡山の坪井に、坪井泉と呼ばれる井戸が今も残る。明治十五年の甲可村誌は、村の東方の字清水にあり、直径八尺、深さ一丈で、水は澄みきって底の落葉まで数えられると記した。弘法清水と呼ばれる井戸の一つである。津桙社の縁起絵巻によれば、天長四年の秋に弘法大師が河内国讃良郡の津桙へ着き、この地を霊地と見て逗留したという。延久二年には後三条院がこの水で酒を造らせ、津酒と呼ばれた。のちに源義家もこの水で酒を仕込ませたと伝え、坪井の井戸は平井の井戸ともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。