十五夜に討たれた侍と胡瓜
どんな伝承か
戦に敗れた侍が落ちのびてきたが、田羽根で追手に捕まった。八月十五日の夜のことで、月明かりのもとで刀を交えたものの、運悪くきゅうりに足を取られて倒れ、そこを槍で突かれて命を落としたという。きゅうりを作っていた武内家ではその後不運が続いたため、毎年八月十五日までにきゅうりを片づけることにしたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。