鬼神五万が駐屯した宿の五万原
どんな伝承か
吉備津彦命と温羅の伝説にまつわる地名由来の一つ。都窪郡山手村宿(現総社市宿)には五万原という地名がある。昔、吉備津彦命が鬼神の温羅と合戦したとき、鬼神方が五万の軍勢をこの地に集めて駐屯したことから、この名がついたと伝える(『都窪郡誌』)。近隣の総社市千足でも、山手へ越えるあたりを五万原と呼び、同じ由来を語るという。温羅退治の物語が土地の地名と結びついて語り継がれた例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。