馬が倒れた白子の駒止橋と明石原
どんな伝承か
白子の地内には頼朝の伝説にちなむ地名が四つある。駒留の橋、明石原、高根村、御殿山である。駒止橋は中里の上の台にあり、市場から一宮へ通じる県道に架かっていた。大正の初めごろまでは土橋だったが、いまは土管を埋めて橋そのものはない。石橋山の戦いに敗れて安房へ逃れ、さらに上総へ渡った源頼朝がここを通ったとき、馬が倒れたので駒止の橋と呼ぶようになったといい、傍らには観音が祀られている。そこから北へ五百メートルほどの場所は明石原と呼ばれ、ここで夜が明けたことによる名だと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。