桝の水が生んだ升水の姓
どんな伝承か
徳川家康が敵に追われて新宿の集落にさしかかった。ちょうど夏のことで喉が渇き、かたわらの民家に立ち寄って水を所望した。家の主人が有り合わせの桝に水を入れて差し出すと、家康はそれを一息に飲みほし、これからは升水と名乗れと言い置いて立ち去った。升水という姓はこれに始まるのだという。平塚市に伝わる姓の由来譚で、『神奈川県の歴史』県下の民俗篇下が収める。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。