葱を植えて咳を治すます池のしわぶきさん
どんな伝承か
平林の東、一キロメートルほど行った畑の中に、ます池と呼ばれる場所がある。大きな石の上に小さな祠がのっており、百日咳や咳に困る人が参りに来る。昔この土地に生まれた婆様が百日咳を病んで死に、その老婆をまつったものだといい、しわぶきさんと呼ばれている。祠のまわりには葱が植えてあって、参る者は家から葱を持って行ってそこに植え、代わりに祠のそばの葱を頂いて食べると、不思議に咳が治るのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。