釣ヶ崎の沖に光った八つの玉
どんな伝承か
睦沢町岩井の鶴羽神社に伝わる話。大同元年の八月、九十九里の釣ヶ崎の沖で夜ごと光を放つものがあり、数日かけて波打ちぎわへ寄った。東浪見の漁師たちが恐れながら浜へ出てみると、輝く八つの玉であったので持ち帰り、床の間に置いた。その夜、これは玉依媛の霊だから朝廷へ知らせよという夢の告げがあり、天皇も同じ夢を見たため、国司に六つの社を建てさせて玉を分けて祀らせた。鶴羽神社もその一社であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。