片実の梅
どんな伝承か
長生郡睦沢村上之郷にある女が堰の土堤は、何度築いても壊れてしまい、村人は困りはてていた。ある時、工事をしていると通りかかった和尚が、明朝いちばん先にここへ来る女を人柱にすれば堤はもう壊れない、と教えた。翌朝早く、子どもを背負った女が来たので、その女を土堤に埋めたところ、以後は決壊しなくなったという。そのとき背中の子どもが食べかけていた梅が芽をふいたが、その実は片側にしか肉がつかなかったので片実の梅と呼ばれた。梅の木は明治時代まであったが枯れていまはなく、明治四十一年十月に建てた「女堰神」の小碑が残っている。
原典より
長生郡睦沢村上之郷にある女が堰の土堤は、何度築いても壊れてしまい村人は困っていた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。