広常が霊夢で造った妙楽寺の大日
どんな伝承か
瑞沢村(現睦沢町)妙樂寺区にある東岳山妙樂寺は比叡山延暦寺の末寺で、承和五年に慈覚大師が開いたと伝わる。大師は入唐から帰った折にこの地で丈六の大日如来や二王などを刻んで安置した。その後、上総介広常が堂宇再建を志した際、霊夢に大師の示現があり、金剛界の大日如来を作るよう告げられた。広常は護摩を千日修して基礎を築き、承安二年正月二十八日に丈八の座像を完成させ本堂に納めたという。小松内大臣平重盛もこの由緒を聞き、寺の修復と庄園の寄進を行ったと伝える。
原典より
瑞沢村妙樂寺区の東岳山妙樂寺(天台宗)は、比叡山延暦寺の末寺で、承和五年、慈覚大師の開基にかかると言はれてゐる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。